エネルギー市況の下落により、厳しい事業環境が続いていますが、このような事業環境であるからこそ視点を変えればさまざまなビジネスチャンスがあると考えています。当本部には石油・ガス事業、LNG 事業のほかに、原子力事業が含まれており、50年以上にわたり世界最大の原子力産業複合企業であるフランスのアレバグループの対日総代理店として原子燃料の供給や、関係会社を通じて原子力関係の機器・燃料・材料の販売など、原子力関連事業を幅広く取り扱ってきました。

この中でも、足元で取り組んでいる事業の一つとして、当社の子会社であるイーエナジー株式会社で展開している誘導加熱式被膜除去事業があります。これは、電磁誘導加熱原理という技術を使い、安全に、効率良く、低コストにてインフラメンテナンスが可能になる技術です。橋梁や石油備蓄基地などのタンク、鉄鋼で作られた大型のインフラ施設は防錆、防食、美観などの観点から外面・内面に塗装が施されていますが、施設が経年劣化する中で、安全性の確保のためにも定期的な塗り替えが必要です。塗装やコーティングの除去は従来、作業員にとって有害であり、中毒の危険がある可燃性の溶剤系剥離剤や、作業員の体に接触すると大事故になるほどの高圧で研掃材を吹き付けることによって被膜を剥がすブラストという方法が使用されています。

このような作業員の安全性が危ぶまれ、かつ、自然環境に有害である恐れがある方法での被膜剥離に代わる手法として、一般家庭にあるクッキングヒーターにも使用されているIH(誘導加熱)技術を応用した商品を紹介しています。これは、石油掘削FPSO(浮体式生産貯蔵積出設備)の防火被膜剥離に使用される技術として当初開発された商品で、鋼材と被膜の間に効率的に熱を発生させ、界面結合を破壊することで即時に被膜が剥がれるものです。最小限のエネルギーで、騒音や粉塵などの環境への影響も少なく、作業員の安全性および作業環境が飛躍的に改善される方法で、鉄鋼から塗装や錆、ゴムなどを除去し、インフラ設備のメンテナンスが容易になります。また、将来的には、当本部の主力事業である原子力事業向けにも、今後のプラント廃炉作業の中で、各種鋼材廃棄物の除染作業への運用も期待されています。

エネルギー市況が低迷し、原子力発電所も多くが稼動停止となるなど、当本部にとっては厳しい事業環境ではありますが、そのような状況であればこそ、安全で環境に優しい工法の提案を含めた、当社の新しいビジネスモデルや、機能の提供に注力しています。

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