【日商岩井】ブラジル鉄鉱業界への貢献

ペレットプラント事業と今世紀最大の鉄鉱山の開発

日商岩井は、旧日商・岩井産業時代から鉄鋼関連ビジネスには強く、鉄鉱石においては南アフリカ、インド、ペルーそしてブラジルからの輸入に注力してきた。特にブラジルの世界最大級の国営(当時)鉱山会社リオドセ社とは、1950年代からの付き合いで、その後、日本の粗鋼生産は右肩上がりとなり、ブラジルの鉄鉱石の輸入も急増していた。


鉄鉱石需要の急増を受け、従来原料としては不適とされていた微粉鉱石の活用が考えられるようになり、微粉鉱をパチンコ玉くらいの大きさにそろえる「ペレット化」を事業化することが検討された。


日本の高炉メーカーも良質の鉄鉱石を産出するブラジルにおいてペレットのプラントを持つことは原料の確保、供給地分散の両面から必要と考え、昭和49(1974)年にリオドセ社51%、日本側49%(高炉メーカー6社と日商岩井)の出資比率にて合弁会社NIBRASCO社を設立することで合意。同社は昭和53(1978)年から生産を開始した。


日商岩井はペレットプラントを納入し、輸銀のサプライヤーズクレジットを組成、日本向け輸送を担当することになり、そのビジネスは現在の双日にも受け継がれている。


さらにブラジルにおいて「20世紀最大の鉄鉱山」といわれカラジャス鉄鉱山(埋蔵量180億トン)の開発に際して、昭和57(1982)年に日本の製鉄7社が昭和60(1985)年から平成11(1999)年にかけて1億4,550万トンを引き取る契約が纏まり、日商岩井は幹事商社に指定された。このプロジェクトは港までの900キロを結ぶ鉄道の建設と、30万トン級の大型船舶が入港できる港湾の建設が必要であり、日本側が融資することでリオドセ社を全面的に支援をした。

  • NIBRASCO社工場全景

  • カラジャス鉄鉱山

  • カラジャス鉄鉱山