木材を通してインフラ開発に貢献

日綿とトップを競った木材ビジネス

南洋材、米材、ロシア材、ニュージーランド材の輸入は日綿と並んで、常に日本の木材輸入NO.1を競っていた。

 

米材は専用船数をピーク時で12~13隻ベースの大型買い付けを行った。ソ連とは昭和42(1967)年にブルドーザーなどの極東森林開発機械と木材のバーター取引を成立させ、極東開発に大きく貢献した。

 

昭和45(1970)年には、パプアニューギニア政府とSBLC(Stettin Bay Lumber Company)社を設立し、森林開発を推進。同事業には学校・診療所、幹線道路・橋梁の建設等、大規模なインフラ整備も含まれた。またSBLC社は、昭和53(1978)年からは植林事業を開始し、平成2(1990)年には南部林区(神奈川県の面積に相当)を取得した。SBLC社は平成8(1996)年には鉄骨恒久橋5橋を含む南北縦断道路100キロを完工させ、現地のインフラ整備にも貢献した。同国との関係は現在の双日にも受け継がれ、平成25(2013)年には、パプアニューギニア政府と、同国において産出されるガスを利用したガス化学事業の検討をするための覚書に調印している。

 

90年代初頭には、産地の丸太輸出から合板生産の流れを受けて、マレーシアにおいて日新林業とともにMDF(中質繊維板)工場、内装ドア等の最終製品製造工場を設立。ニュージーランドにおいては、平成3(1991)年に、住建産業とともに山林経営権を取得、さらにその後追加取得し6万h.aを超える森林の伐採権を取得し、これは淡路島とほぼ同じ広さといわれた。そしてトライボード工場を買収し、合板事業を拡大した。

 

日綿もニュージーランドにおいて製材事業を拡大し、これら商売は現在の双日建材の基盤となっている。

 

[外部サイト]

  • SBLC社建設の鉄骨恒久橋

  • SBLC社から船積みされる木材

  • SBLC社での荷役のようす