高畑誠一、マッカーサーに論文を送る

戦後賠償軽減を訴え、戦後復興を論じる

日本が第ニ次世界大戦に敗戦すると、会長の高畑誠一は、早くも戦後賠償について持論を展開し、「終戦に伴う軍需産業に対する補償と賠償問題」という論文をマッカーサーに送り、日本の平和的復興のために寛大な対応を求めた。

 

高畑はその論文について、次のように語っている。
「領土とその資源をすべて喪失した日本に、その上、焼け残った残余財産まで賠償でもぎとられては全く日本の立つ瀬がなく、復興などはおよびもつかないと思った。国民外交のつもりで英文にし、マッカーサー将軍に数字を羅列して訴えた。当時敗戦というショックに打ちひしがれて、日本人の中には占領軍にこんなことをいう人は誰もなかったと思う。ちょうとアメリカからポーレー賠償委員が調査にやってきたところだったので、ポーレー委員団にもこのことを嘆願した。そればかりではなく、この論文をEnd of war compensation for mumitions industries and reparation problemと題し、海外の朝野の有識者にも配布したが、あの荒廃した国土の復興に多少なりとも役立てばうれしいという気持ちの発露にほかならなかった」

 

また、その他にも昭和22(1947)年に「Reborn Japan and Peace Treaty(生まれ変わる日本と講和条約)」、昭和25年(1950)年に「The Economic aspect of post-war Japan(戦後日本の経済事情)」、昭和29(1954)年に「Quo Vadis, Japan?(日本よ!どこへ行く)」、「Weakened Wee Japan(貧弱なる日本)」などを執筆。特に「Quo Vadis, Japan?」は175ページに及ぶ長論文で、時代の変遷がにじみ出ている名作である。

 

[外部サイト]

  • Quo Vadis, Japan?(日本よ!どこへ行く)

  • Weakened Wee Japan(貧弱なる日本)