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2022.03.31 UP

学生がマグロをPR? クリエイティブの力で広げる伝わるチカラ

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先日『caravan』内で公開した、長崎県の離島にあるマグロ養殖場「双日ツナファーム鷹島」の記事「マグロが食べられなくなる? 養殖の現場から見えてきた海洋資源のゆくえ」。美味しいマグロをつくるため、真摯にマグロと向き合うストーリーをご覧いただけましたでしょうか? まだの方は、ぜひ一読を。そんなマグロ養殖場のPRをサポートするのは共立女子大学の学生たち。双日との産学連携からはじまった本プロジェクトをさらに広く伝えていくための、caravan(双日)×共立女子大学が連携したクリエイティブ・ワークショップをお届けします。

Text_Keisuke Kimura
Photograph_Kaoru Yamada
Edit_Shota Kato

玄海鷹島本まぐろと向き合った1年間

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「双日ツナファーム鷹島」の養殖マグロの認知度向上を図るため、2021年5月より、共立女子大学と双日の産学連携は始まりました。Z世代ど真ん中の大学生ならではの、玄海鷹島本まぐろを使ったマグロレシピ開発に加え、SNSで話題を集めるためのアイデアや、養殖マグロの理解を深めるためのワークショップ参加など、取組みは多岐にわたります。

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2022年1月には、彼女たちが開発したマグロ料理レシピの中から「鷹島本まぐろのアボカド豆乳クリームパスタ」を4日間限定で学食にて販売。玄海鷹島本まぐろの赤身を20時間漬けと3時間漬けにし、健康志向の女性向けにアレンジしたパスタメニューは見事に完売しました(1日20食限定)。

学生たちの取組みに共感したのは、ビジュアルコミュニケーションで企業課題を解決するアマナをはじめ、アートディレクター、デザイナー、フードスタイリスト、カメラマン、編集者、ライター、食に関わるクリエイターたち。彼女たちの想いを編みながら、新聞サイズほどのタブロイド制作に向けて集まりました。3月某日には2時間にわたるワークショップを開催。プロのクリエイターとタブロイドの顔となる表紙ビジュアルの選定やキャッチコピーを考案しました。

みんなで考える表紙写真

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緊張の面持ちで会場入りした共立女子大学の学生たち。参加したのは、本プロジェクトのリーダーを務める阿久津真郷さん、レシピ班のリーダーである千島唯楓さん、レシピ班の青山毬恵さん、実際に「双日ツナファーム鷹島」を視察したSNS広報班の寺西佳穂さんの計4名です。

『caravan』のコンテンツディレクターを務めるアマナのタジリケイスケさんからオリエンテーション。続いて学生の自己紹介を経てからワークショップがはじまりました。まずは表紙写真を決めていくグループワークです。候補となったのは、以下の4案でした。

tuna3_img05.jpg学生が考案したメニューをプロの手でビジュアライズ。4案の中から学生たちが表紙を決定

すぐに結論は出さず、最初にそれぞれの表紙から連想するキーワードを書き出していきます。そうすることで、ビジュアルに対する印象や、自分たちが伝えたいことを再認識し、表紙の正解を導き出していくのです。

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今回のタブロイドのコンテンツ企画を担当した編集者の加藤将太さん、出版レーベルapplause booksを主催し数々の紙媒体を手がけるデザインスタジオ、ampersandsのアートディレクターの飛嶋由馬さんとデザイナーの佐藤江理さんから編集とデザイン、ビジュアルづくりの意図を解説。プロジェクトを担当した若者を読者ターゲットの中心に置きながら、大人たちも対象にしたコミュニケーションツールづくりを目指しました。ちなみに料理写真はこの日の模様を撮影してくれたカメラマン・山田薫さん、料理のスタイリングはフードスタイリスト・竹中紘子さんが手がけてくれました。

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「おしゃれな人のインスタ」「#ていねいなくらし」「透明なお皿がマグロを引き立てている」「遠出した感じ」「グルメな日」といった自由でフレッシュな意見を書き連ねていきます。真っ白だった模造紙も、あっという間に言葉でいっぱいに。考えはじめてから10分後、グループを代表して、千島さんが意見を総括してくれました。

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「A案は優しい雰囲気で、温もりを感じました。近所にある小さい飲食店だったり、古民家風カフェのイメージ。それと、おしゃれなインスタをやっている人のランチって感じもしました。B案は明るくパッとしているから、目を引くデザイン。C案は、私たちよりも大人なイメージでかっこいい。ランチよりディナーという感じです。D案は、マグロが大きく写っているけれど、これがマグロかわからないのかなとも思いました。」

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「A案と迷って、B案のほうが学生にも見やすくて、ポップでいいなという結論です。それと、私たちらしさというか、等身大な感じのほうが、大人の方にも伝わると思ったんです」(青山さん)

学生たちの議論の深さ、ビジュアルに対しての理解度、自分の意見をしっかり言語化できる様を見て、プロのクリエイターたちも終始感服しきり。

届けたい想いをキャッチコピーに乗せて

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表紙が決まったところで、次はキャッチコピーを考えるグループワーク。いわば、『caravan PAPER』の特集タイトルです。

さすがに、なんのヒントもない中では導き出すのは難しい。そこで、プロたちが今回の取組みを連想する言葉たちを用意しました。「サステナブル」や「持続可能性」「女子大生」「未来」「養殖」などのキーワードが並びます。

ここからは表紙決めと同じく、タブロイドの内容を踏まえ、まずはキーワードを書き出していきます。そのなかの議論の一部を少しだけ。口火を切ったのは寺西さんです。

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寺西:実際にマグロの養殖場へ行ったとき、本当に大事に育てられているんだなと思ったんです。それを伝えられる言葉は入れたいな。

阿久津:でも、養殖って言葉はちょっと堅いから言い換えていいかも。

青山:さっき、安全っていうキーワードも出ていたから、トレーサビリティとかもいいかなって。

千島:このタブロイドの中では、新しい食べ方も提案しているから、そういう切り口もありなんじゃないかなと思う。

阿久津:私たちらしさも表現したいしね。

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そこから考えること15分。プロたちの助言も参考にしながら、導き出したタイトルが「#箱入りマグロ ーおいしいマグロ、ツナがる未来ー」。

「箱入りマグロ」というキラーワードを思いついた寺西さんは、こう言います。「実際に『双日ツナファーム鷹島』を訪ねたときに、そこで働く方たちの声を聞いて、生産過程も見せていただいたんです。そのときに、本当に大事に育てられてるんだなと感じて。そこから箱入り娘っていうアイデアに辿り着いて、箱入りマグロという言葉が出てきました」

ところが、それだけでは伝わりにくいかもしれないということで、ampersands飛嶋さんの助言からサブタイトルも添えることに。

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「みんなでキーワードを出しあったときに、シンプルに『おいしい』とか、サステナブル的な考えから『未来』といった言葉が出てきたんです。だから、サブタイトルにはできるだけ伝わりやすい言葉を選びました。そして『繋がる』をちょっとひねって『ツナがる』に。最後に、SNSで発信しやすくハッシュタグをタイトルの頭につけて、若者にも刺さるようにしたんです」(阿久津さん)

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選ばれた表紙とタイトルは、その場で即座にデザインされ、披露されることに。スタイリッシュな表紙を等身大で気の利いたキャッチコピーが引き立てています。

プロジェクト2年目に向けて、気づきと発見を得た1日

こうして無事、すべてのプログラムが終了したタブロイドづくりのワークショップ。「学生たちの学びの場になれば」と思いながら企画しましたが、参加していたプロたちこそ、気付きがいっぱい。両者にとって、とても貴重で、素晴らしい機会になりました。最後に、参加してくれた学生さんたちに感想を聞きました。

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「貴重な機会でしたし、これからの自分の勉強にも活かしたいと思いました。そして、今後もこのプロジェクトは続くので、一層、頑張っていかなきゃと思っています」(寺西さん)

「双日さんとのプロジェクトを通して、今日を含めて素敵な経験ができました。一生懸命考えたレシピが、こういう形でタブロイドに"ツナ"がったのが本当にうれしかったです(笑)」(千島さん)

「プロのみなさんがつくってくれた表紙の中から、私たち素人が決めなきゃいけないというのがとても難しく感じたけど、私たちの意見も取り入れてもらい、ひとつの作品ができたというのはうれしかったです」(青山さん)

「こんなに多くの方々が支えてくれていたんだと実感しました。私たちの活動がこんなに素敵にまとめられて感動しています。自分たちだけでは到底辿り着けないところまで押し上げていただき、本当にありがとうございました」(阿久津さん)

2022年5月には2年目を迎える共立女子大学と双日による産学連携プロジェクト。1年目で得た気づきと発見がどのようにブラッシュアップされていくのか。これからの展開も見逃せません。

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INFORMATION

共立女子大学・共立女子短期大学 

共立女子大学・共立女子短期大学のキャンパスは、日本随一の本の街 神保町と皇居を望むロケーションにあります。
建学の精神である「女性の自立と自活」とともに130年を超えて女性の社会進出を支えてきました。
学問分野の広さと専門性の深さで、多様な社会で貢献できる力を育くんでいます。

https://www.kyoritsu-wu.ac.jp/

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