石炭・金属本部

トレーディングと優良権益確保を通じて、エネルギー・金属資源の供給責務を果たす

トレーディングと優良権益確保を通じて、エネルギー・金属資源の供給責務を果たす世界各国の発展・成長においてエネルギー・金属資源の存在は必要不可欠です。特に新興国においては産業の発展に伴い、需要はますます高まっています。当本部は、資源の乏しい日本や成長著しい新興国への、安定的かつ競争力あるエネルギー・金属資源の供給責務を、引き続き果たしていきます。加えて、産業の発展・高度化に伴い、複雑・多様化する顧客やパートナーのニーズに応えるべく、商社としてリスクをコントロールしながら、当社ならではの新たな機能や付加価値を提案していきます。

石炭・金属本部の特徴として、石炭事業では豪州やインドネシアの上流権益に投資を行うとともに、トレーディングでは強固な販売・供給網を基に日本向けに高いシェアを有するロシア炭の取り扱いなど、業界内において確固たるプレゼンスを確立しています。また、レアメタル(ニオブやニッケル)やベースメタルなどへの権益投資を行っているほか、鉄鋼総合商社である株式会社メタルワンを持分法適用会社として保有。さらには、高品位鉄鉱石やフェロニッケル、蛍石、蛭石(ひるいし) 、貴金属リサイクル等、特徴のあるトレーディング事業においても日本向けに高いシェアを有するなど、当社独自の特徴のあるエネルギー・金属資源の供給を行っています。

石炭関連事業

日本・アジア市場向けトレーディングと海外権益投資を展開

石炭事業では、国内の鉄鋼・電力・一般産業向けおよび三国間の石炭販売ビジネスを基盤としたトレーディングと、海外権益投資を展開しています。石炭販売においては、豪州炭に加え、日本向け輸入取り扱いシェアトップのロシア炭や、持分権益数量において日本商社トップのインドネシア炭にも注力し、国内向け販売量の拡大を目指します。

また、三国間トレーディングの分野においても業界トップクラスの取扱いを誇り、アジア新興国向けの販売にも注力しています。

上流権益投資では、1980年代に日本商社として初めてインドネシアで石炭権益に投資するなど先駆的な取り組みを行い、現在は豪州、インドネシアを中心に保有権益を拡大しています。豪州では、当社が96%出資する豪州・ミネルバ炭鉱における独自の操業を通じ、オペレーター機能も保有しており、権益からの収益向上を図るとともに、操業ノウハウを活かした将来の良質な炭鉱開発の機会創出にもつなげていきます。

※豪州 ミネルバ炭鉱

鉄鉱石事業

ブラジル産鉄鉱石を中心に安定供給に貢献

製鉄主原料となる鉄鉱石関連では、ブラジル産鉄鉱石の取扱い数量において業界トップクラスであり、多くの優良顧客基盤を持つなど、対日輸入に強みを有しています。今後も、日本国内はもとより、中国など需要が拡大する第三国向け販売を強化していきます。上流権益投資では西豪州に鉄鉱石鉱山権益を保有しています。

※カナダのブルームレイク鉄鋼山

合金鉄・非鉄貴金属事業

合金鉄・非鉄権益投資と貴金属トレード事業を深化

合金鉄・非鉄貴金属事業では、合金鉄(ニッケル、コバルト、クロムなど)、非鉄金属(アルミナ、銅、亜鉛など)、および貴金属(金、銀、プラチナ、パラジウムなど)のトレードと、ニオブやボーキサイト・アルミナの上流権益投資事業を行っています。豪州においては、South32社と共同で、西豪州におけるワースレー アルミナ製錬事業に参画(当社9%保有)。ブラジルにおいては日本製鉄会社と共に世界最大級のニオブ生産事業に参画しています。

※豪州 ワースレー アルミナ精製工場

今後の展望

2017年3月期は、目標を上回る業績をあげることができました。従前から継続的に進めている上流権益事業における徹底的なコスト削減や、伝統的に強みのあるトレーディング事業の再強化が、着実に実を結びつつあるものの、安定収益基盤の確立に向けては、収益構造の転換が急務であることを強く認識しており、当本部では、3つの事業領域ごとに、以下の戦略を進めています。

まず、トレーディング事業では、伝統的な日本向けの商権の維持拡大を進めるとともに、需要増が見込まれる新興国向けの取引の拡大を進めています。従来型のトレーディングだけでは、ビジネスモデルが成り立たなくなっていることから、これまで以上にサプライヤーおよび顧客との結びつきを強め、事業環境の変化に伴う多種多様なニーズに応えていくことが重要と考えています。

次に、上流権益事業については、低市況下でも収益を生むポートフォリオの構築を目指します。当社は、総合商社として唯一、操業も含めた炭鉱経営(豪州・ミネルバ炭鉱)を行っており、多くの事業ノウハウを蓄積しています。自らが炭鉱経営をしているからこそ得られる情報収集力・分析力をさらに磨き、経営判断の迅速化・高度化を通じて、収益性の向上を目指します。

そして最後は、当社の次期中期経営計画を見据えた新たな事業領域の創出です。既存取扱商品のサプライチェーンを今一度見直し、単なるトレードのみならず、ファイナンスやロジスティクスなどの当社が保有する機能を活用することによって、集荷、在庫、加工などの下流域への進出を図っていきます。また、昨今の法規制変更や、環境意識の高まりなどの事業環境変化を商機と捉え、従来の原材料・燃料供給ビジネスにとどまらない新たな事業モデルの創出にも挑戦します。

PROJECT STORY

豪州 ミネルバ 石炭事業
-権益96%を保有し、自ら炭鉱を経営・操業-

双日は日本の総合商社としては唯一、炭鉱経営・操業機能を直接保有している。1994年、豪州クィーンズランド州に位置するミネルバ炭鉱の権益を30%取得。2005年11月に高品位の燃料用一般炭の生産を開始。2006年8月には権益比率を45%とし、2010年12月にはさらに51%を追加取得、権益比率を96%にまで上げた。

それまで商社は、石炭サプライヤーとパートナーシップを組み、少数権益参画者の立場で主にマーケティングを担当することを主としていた。しかし、商社が少数権益参画者として参画する意味合いが徐々に薄れるなか、サプライヤーと同じく自ら炭鉱を経営・操業し、成長への舵とりを自ら担う必要性が認識されるようになっていた。

炭鉱操業におけるキーポイントは「どのような人材を集めるか」と認識していた双日は、豪州在住の炭鉱経営経験者をスカウト。ミネルバ炭鉱の操業・経営管理を行う双日コールマイニング社(SCM)のキャメロン・ヴォリアス社長は、そうしてスカウトされた一人だった。また、同時に「ブランディング戦略」にも力を入れた。ミネルバ炭鉱の従業員にとって双日は3社目のオーナーであり、炭鉱従業員が一丸となるためにも、彼らに双日を身近に感じてもらう必要があった。

ヴォリアス社長はデイタイム、ナイトタイムに働く従業員それぞれの業務終了後に、操業会社の変更、双日の事業について、そして、双日が現場の安全と家族に配慮した経営を行う会社であることを説明。また、従業員が着るTシャツ、車、文具、名刺などに双日ロゴを載せた。一方、SCM社のオープニングセレモニーでは当時の加瀬社長をはじめとする日本側経営陣が現地を訪れ、SCM社、SCR社の従業員との夕食会に参加。現地スタッフからは「双日にとってこの炭鉱開発事業の優先順位が高いことが実感でき、自分たちの頑張りが認められていると感じる」との声が次第に聞こえるようになり、経営は軌道に乗り始めた。

貨車の確保や保有設備、炭鉱の地質条件などに左右されるため、石炭の生産量を急速に伸ばすことは難しい。しかし双日は、年間250万トンをコンスタントに販売することをめざし、日夜努力を続けている。