食料・アグリビジネス本部

安心・安全な食品・食料の提供を通じ、生活水準の向上に貢献

食料・アグリビジネス本部は、食料供給の一翼を担うとともに、農業生産拡大や生産技術の移転、食文化の向上への貢献を通じて、生活水準の向上に寄与しています。食料バリューチェーンの川上(肥料製造、農業、飼料製造、養殖事業など)から川中・川下(穀物集荷、食品原料製造、食品製造事業など)まで、国内および東南アジアを中心に優良な事業資産を積み増し、既存の優良事業をベースとした周辺国への横展開や、収益の拡張の立案・実行を行っています。

アグリビジネス事業

東南アジアにおける肥料のリーディングカンパニー

食料サプライチェーンの川上に注目した事業として、農業に不可欠な肥料の製造・販売を行っています。双日グループのThai Central Chemical Public社(タイ)、Atlas Fertilizer社(フィリピン)、Japan Vietnam Fertilizer社(ベトナム)では、年間160万トンの高度化成肥料を製造・販売、これら3カ国におけるマーケットシェアはトップクラスを維持しています。

※肥料工場の倉庫

水産事業

商社初となるマグロ養殖事業への参入

クロマグロの資源量減少による漁獲規制と供給の減少に危機感を抱き、輸入冷凍マグロの取扱いで蓄積した知見をもとに、2008年9月に双日ツナファーム鷹島を設立、マグロの養殖産業に参入しました。近畿大学との協同研究による人口孵化稚魚の肥育にも積極的に取り組んでいます。また、マグロの成長にとって最適な状態を実現し、より美味しいマグロをお届けできるよう、NTTドコモと電通国際サービスと共同で、IoT・AIを活用した給餌量やタイミングの最適化、生簀環境の改善システムを開発するなど、取組みの幅を広げています。

※ツナファーム鷹島(長崎)

飼料事業

ベトナムでの穀物・飼料バリューチェーン

双日が出資するベトナム製粉最大手インターフラワー・ベトナム社(IFV社)の港湾施設はパナマックス級本船が着岸可能な、ASEAN域内最大規模の穀物専用港です。この港湾設備を活用して、飼料事業や製粉事業の拡大を図っています。また、当社は協同飼料株式会社(現、フィードワン株式会社)との共同出資により双日協同飼料会社(KSF社)を設立、ベトナムにおいて畜産用配合飼料の生産・販売事業を展開しています。

※IFV社の港湾施設

食料事業

ヤマザキビスケットの歩み

双日が出資するヤマザキビスケットでは、1970年の創業以来、「価値ある製品の提供」をモットーに、「チップスター」などのロングセラー商品を市場にお届けしており、双日も原料供給・販売の一端を担っています。同社は創業から46年の経験を生かし、2016年9月の社名変更に合わせて新商品「ルヴァン」「ルヴァンクラシカル」などの魅力ある製品を発売、世の中に新しい価値を提供し続けています。また、チップスターの原料であるポテトの産地や大きさにこだわることで、変わらない美味しさをお届けしています。

今後の展望

食料・アグリビジネス本部では、さらなる飛躍に向け、優良資産の積み増しや、既存事業の拡充、中長期的な視野での新たな事業投資を通じて、日本およびアジアの「安心・安全」な食料供給の一翼を担うバリューチェーンの構築を目指しています。その実現のため、収益の柱として安定的に推移している肥料事業に加え、他事業領域にも積極的に取り組むことで、収益構造の多角化を図り、安定的な収益の塊を構築していきます。

肥料事業では、ミャンマーをはじめとする周辺地域への横展開による中長期的な収益強化を図り、飼料畜産・小麦事業では需要増が見込まれる地域に注力。新たな資産を獲得し、川上から川下まで事業を行うことで、事業機会・収益を幅広く取り込んでいきます。水産事業についても、既存のマグロ養殖・加工事業を拡張し、加工・販売事業の新規創出に取り組みます。

PROJECT STORY

肥料製造・販売事業
-伸び行く東南アジアの農業生産を支える-

双日はタイ、フィリピン、ベトナムの3カ国で事業会社を運営し、高度化成肥料の製造・販売を行っている。3社の製品は各国でトップシェアを誇っており、双日は東南アジア最大規模の化成肥料製造・販売グループを形成。引き続き、マーケティング活動の強化や生産能力の増強を進め、さらなる需要取り込みと周辺国への輸出強化を図り、既存事業の拡充を行っていく。新規地域への展開にも積極的に取り組んでおり、人口の約7割が農業に従事する東南アジア有数の農業大国ミャンマーでの需要拡大を見据え、2016年10月に同国での拡販に向けた販社を設立、今後も高度化成肥料の提供を通じて、農業の高度化ならびに経済の発展に貢献していく。

はじまりは1973年、タイにおける肥料製造会社TCCC(Thai Central Chemical Public Company Ltd.)の設立。タイは稲作を中心とした農業国で、肥料需要の増加が見込めたため合弁会社の設立に踏み切ったが、これは総合商社初の試みだった。1995年にはフィリピン、ベトナムへも拠点を拡大。高い品質を武器に、現在では各国でNo.1の市場シェアを占めるに至っており、米用を中心にコーヒー、茶、果物用など多様な製品を供給している。

設立当初は10万トンだったTCCCの生産量は、工場の新設・増強を重ねたことで、現在では年120万トン。民間の肥料会社としては東南アジア最大を誇る。TCCCが製造した肥料は、約400のディーラーを通じてタイ国内で販売されており、農作物の収穫増はもちろん、それまで輸入に頼っていた肥料を国産化したことでタイ経済にも大きく貢献している。

1990年代、タイでは他商社や現地メーカーが続々と新規参入し、TCCCにとっては苦しい時代があったが、結局それら後発会社は撤退していった。理由は、ユーザーである農家の人たちがTCCCの肥料を選択したためである。会社設立から40年以上、品質を落とすことなく製品を提供し続け、タイの農業、そして経済の発展に貢献してきたことが現在のブランド力につながっている。

TCCC 社長の佐々木は「我々が多種多様な製品を安定生産することが農家の方々の安心感につながっています。市場が天候に左右される難しさはありますが、国土の4割が農地、就業人口の4割が農民という国、タイで肥料製造を通して農業に関われることに大きな喜びを感じています」と話す。タイのみならず、農業発展の続くその他の周辺国でもテストマーケティング・分析を進めており、今後も製造・販売事業のさらなる横展開に取り組んでいく。