トップインタビュー

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変化の激しい時代の中で、変化に追いつくスピードを持った英断が、次代を創っていく。
拙速であってはならない。スピードを持って着実に事業を進め、社会と共有できる新たな価値を生み出す姿に、信頼は寄せられる。
「スピード」と「信頼」を両輪に、双日は次の時代を創っていく。

双日の使命

みなさんは、新興国を旅したことがあるだろうか?

そこに身を置けば誰でも、爆発的なエネルギーが何かを生み出していく空気を、肌で感じることができるだろう。その空気がいま、世界を巻き込んで構造変化をけん引している。めまぐるしく乱高下する市場の中で、勝ち抜いていかなければ企業は生き残れない。速すぎる世界の躍動に追いつくには、一体何をすべきなのか。スピードを持って答えを出せる者だけが勝者になる。

新興国の経済成長は、その国の生活水準を押し上げる。人も物も大きく動く。必要となるのは、電力・道路・港湾・鉄道・空港などのインフラ整備、そしてエネルギーの安定供給だ。インフラの整備は、新興国経済発展の鍵だ。成長著しい新興国のために双日が貢献できる機能とは何なのか――。

双日は、ベトナムで2件の大型発電プロジェクトを連続受注した。双日はベトナムに強い。
1986年に日本企業初のベトナム駐在員事務所を開設し、同国で豊富なビジネス経験を有している。ベトナム国営石油公団から受注したのは、ベトナム北部タイビン省に建設される1200MWの石炭火力発電所だ。同国内の発電プロジェクトの中でも最大級のものになる。年間15%前後のペースで電力需要が増加するベトナムで、双日はエネルギー安定供給に寄与している。

インドでは、貨物輸送量が年間約15%増で伸びている。インドの国土は日本の約9倍、人口は約12億人だ。それにもかかわらず、既存の内陸輸送網である道路や鉄道は整備途上で現在の輸送能力では限界が近い。ひっ迫する物流の需要に対策を講じなければならない。

双日は、インドの首都デリーとインド洋に面した商都ムンバイを結ぶ貨物専用鉄道(総延長約1500km)の第一区軌道施設工事(626km)を開始した。インドの大動脈となるこの鉄道が完成すれば、現在3~4日かかっている貨物の輸送日数がたった1日に短縮され、輸送量は現在の3~4倍に跳ね上がる。インフラの未整備がボトルネックとなっているインドで、双日は、経済成長に大きく貢献できるだろう。

陸路だけではない。アジア諸国の生活水準向上とASEAN経済共同体発足に伴って、空路の需要が続伸することは確実だ。双日は、半世紀以上にわたり航空事業に強みを持っている。航空機の販売代理店として培った長年のノウハウがある。航空事業を基軸として、事業の幅を広げ、空港運営を伴う空港プロジェクト、周辺インフラ事業にも参画していく考えだ。

双日は企業理念で、誠実な心で世界を結び、新たな価値と豊かな未来を創造すると謳っている。より良い社会、より豊かな時代にしていくために、双日が役に立てる機能は何か、双日から提案できることは何か。めまぐるしく変化する新しい時代の要請に応えるために、変化を予見し、準備しなければならない。既に行っている事業でも、いままでの常識を覆すような、新しいビジネスモデルへの入れ替えが必要なこともあるだろう。

変化の激しい時代の中で、変化に追いつくスピードを持った英断が、次代を創っていく。
拙速であってはならない。スピードを持って着実に事業を進め、社会と共有できる新たな価値を生み出す姿に、信頼は寄せられる。

「スピード」と「信頼」を両輪に、双日は次の時代を創っていく。

新興国は、自国の発展を願い豊かな未来を創る熱気に満ちあふれている。この空気感に身を置き、自らの意志と情熱を持って、いま何をすべきか答えを出せる者には、ワクワクするような可能性が広がっている。双日は新興国の発展に貢献できる企業だ。一緒に次の時代を創っていこう。

「人」を育てる

機会があれば、双日の経営計画を見てほしい。そこにはいつも、人材育成が経営課題として書かれている。双日は、どんなときでも人材育成を経営計画から外したことはない。

双日が強みを発揮している事業の裏には、必ず、人の力がある。会社を強くするには、人を育てなければならない。双日は、商社パーソンとして必要な知識の習得、資質向上のために、さまざまな研修や海外トレーニー制度を用意している。夢を追いかける力を、最大限に発揮できる環境は、私が整える。それが、経営者としての私の役割だ。

双日という環境の中で、みなさんなら、何を実現したいだろうか。何ができるだろうか。

それぞれに、思い描く理想や夢があるだろう。実現するためには、周囲からの信頼も得なければならない。この人になら任せられると言わしめるには、他者に負けない強みを磨くしかない。やりたいことができる自分に近づくために、いま、どんな努力ができるのか、いまから何をすべきなのか、自ら考えて答えを出し、実行できる力を、双日は歓迎する。

遊びから学ぶ

就職活動中のみなさんに向かって、「おおいに遊んでほしい」とお願いするのは、ちょっと変な話かもしれない。仕事は重要。でも、仕事ばかりでなく、実りある人生を送るためにも、オフは大事だ。

仕事から離れた時間を過ごすことは、精神を健全に保つ以外にも、重要な意義がある。

商社は、相手が求めているものを理解して具現化する役割を担っている。相手が真に求めているものが何なのか、相手の立場・状況を理解するには、自分の世界だけの尺度では、測れない。

だから、スポーツでも旅行でも、何でもいい。たくさん遊んで、世の中のいろいろな物事に触れ、自分とはまったく別の世界にいる人たちにたくさん会ってほしい。考え方も立場も、自分から遠いところにいる人たちとも、同じ景色が見える場所に身を置いてほしい。

グローバル化の進んだ現代では、もはや対岸の火事は存在しえない。すべてが、双日のあらゆる事業に影響を及ぼす。だからこそ、いま世界で起きている事象を広い視野で見て、相手が求めている物事が、違う価値観でも理解できる能力が必要になる。

たくさん遊んで、たくさん学んで、肌で感じてほしい。すべてが、いずれみなさんの力になる。

最後に―

私も40年前、みなさんと同じ学生だった。就職してすぐの新人歓迎会で「無礼講」という言葉を真に受けて粗相をしたし、仕事で失敗して、真っ青になりながら上司に報告した朝もあった。あの頃かいた冷汗が、私を育てた。若いうちは、任された仕事で、たくさんの困難を経験し、小さな失敗をいくつかして、責任を感じて青くなる場面に遭遇した方がいい。失敗から学んだ経験は、何事にも動じない対応力を与えてくれる。それが、みなさん自身を強くする。

若手社員のうちは、失敗しても、周囲に許され守られながら成長していけばいい。

私自身、どれだけ守られ、育ててもらったことだろう。当時、理想の上司がいた。口癖は、「商社の中で、ここはうちがナンバー・ワンだ、絶対負けないと言えるものを築け!」だった。

―なんとかして一人前に育てたい。

―どこに行っても通用する人材にしたい。

上司の叱咤激励からは、そういう愛情がいつもにじみ出ていた。

その期待に応えたくて、認められたくて、必死で勉強した。休日、本屋に行っては文献をあさる。寮に戻って本を読み込み、知識を詰め込む。知り得た知識は、仕事に使いたくて使いたくて、仕方なかった。社会人になってからの勉強は、学生時代の勉強と違い、周囲からの評価として、明快にわが身に跳ね返ってくる。知識がついてくると、さらに重要な仕事を任された。

重要な仕事は、任されて嬉しい反面、必ず、困難を伴った。楽なことばかりではない。

どんなに辛くても、これは、自分に与えられたチャンスだと思って、誠意をもって応えてきた。誠実でなければ、人はついてこないし、信頼もされない。誠実さが信頼を生み、信頼がチャンスを生んだ。チャンスは、私に多くの経験を与えてくれた。経験の引き出しの多さは、私が商社マンとして生きていくうえでの強い武器になった。

周囲とチャンスに恵まれる人であるためには、本人自身の仕事に対する真摯な姿勢と努力が必須条件だ。

双日では、自らの意志と情熱を持って挑戦しようとする者に無限のチャンスが広がっている。
共に「双日」を創っていこう。

この夏、働くことの意義を見つめて、どうか、悔いのない学生生活を過ごしてほしい。

来年の春、みなさんが笑顔でいることを、心から願っている。

Profile

1949年熊本県生まれ。1973年日商岩井(現双日)に入社。
主計畑を中心に歩み、米国会社財経・管理ゼネラルマネジャー、本社での企画ユニットリーダーなどを歴任。2004年経営統合により双日の常務執行役員。長年にわたりCFOを務めた後、2012年4月代表取締役社長に就任。
座右の銘は「何事にも誠実に」。

 

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