当社グループは、総合商社として、物品の売買及び貿易業をはじめとして、国内及び海外における各種製品の製造・販売やサービスの提供、各種プロジェクトの企画・調整、各種事業分野への投資、ならびに金融活動などグローバルに多角的な事業を行っております。
これらの事業の性質上、当社グループは、市場リスク(為替、金利、商品市況、株価などの変動リスク)、信用リスク(貸倒リスク、回収リスク)、投資リスク、カントリーリスクなど様々なリスクにさらされております。これらのリスクは、予測不可能な不確実性を含んでおり、将来の当社グループの経営成績及び財政状態にインパクトを与える可能性があります。こうした様々なリスクに対処するために、リスク管理体制の強化・高度化を進めておりますが、リスクを完全に回避するものではありません。しかしながら、グループがかかえている様々なリスクを一貫した考え方に基づいて適切に認識し「統合リスク管理」としてリスクを計量し、経営に活用することが重要との考えから、継続的に「統合リスク管理」を実施してまいります。また、内部統制統括部を中心に内部統制システムの構築を図っていくと共に、コンプライアンス委員会を中心に、コンプライアンスの徹底を図り、計量化できないリスクの管理も充実させてまいります。
当社グループの事業に関しては、以下のようなリスクがあります。
[市場リスク]
当社グループは、グローバルな事業展開や貿易業における外貨建の取引などに伴う為替変動リスク、資金の調達や運用などに伴う金利変動リスク、営業活動における買付契約・たな卸商品などに伴う商品市況変動リスク、ならびに株式の保有などに伴う株価変動リスクなどの市場リスクにさらされております(なお、市場リスクを伴う取引はこれらに限定されるものではありません)。
当社グループでは、市場リスクに伴う損失の発生または拡大を未然に防ぐために、為替、金利、商品などの市況商品やそれらの派生商品の各々について、社内組織単位ごとにポジション(ロング・ショート)限度額とロスカットポイントを設定の上、ポジション・損失管理を行うと共に、損切りルール(ロスカットポイント以上の損失が発生した場合にすみやかにポジションを解消し、以降の当該年度中の新規取引を禁止するルール)を制定し運用しております。また、一般の営業・財務活動に伴い発生する市場リスクは、物品の売買取引や資産・負債のマッチングと、先物為替予約取引、商品先物・先渡契約、金利スワップ取引などによるヘッジ取引などによって、リスクをミニマイズすることを基本方針としております。
しかしながら、これらの処置を行っても、リスクを完全に回避できる保証はなく、予期せぬ市場の変動により当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
[信用リスク]
当社グループでは、多様な商取引により国内外の多数の取引先に対して信用供与を行っており、信用リスクを負っております。こうしたリスクに対処するために、当社グループでは、信用供与を行っている取引先ごとに客観的な手法に基づく11段階の信用格付けを付与すると共に、信用格付けを参考に取引先ごとの取引限度を設定し、信用供与額を取引限度に収めることにより信用リスクをコントロールしております。また、取引先の信用状態に応じて必要な担保・保証などの保全措置を講じております。さらに、平成19年3月期より債権査定制度を導入し、当社グループが営業債権を有する取引先の中から一定の基準により査定先を抽出したうえで、その信用状態と当社グループの債権、保全などの状況とを点検するプロセスを新たに設け、信用リスクの状況把握と個別貸倒引当金算定の厳格化に努めております。延払・融資・保証行為に伴う信用リスクは、別途、収益性が信用リスクに見合ったものかを定期的に評価し、リスクに見合う収益を生まない取引については、収益性改善または信用リスク抑制の措置を講じることとしております。
しかしながら、こうした管理を行った場合でもリスクを完全に回避できる保証はなく、債権の回収不能などの事象が発生した場合には当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
[投資リスク]
当社グループでは、様々な事業に対して投資を行っており、投資価値の変動によるリスクを負っております。事業投資から発生する損失の予防・抑制を目的として、当社グループでは事業投資案件の審議における厳格なスクリーニング、事後管理、ならびに撤退について各々基準を設け、管理を行っております。
新規事業投資案件のスクリーニングでは、キャッシュ・フロー計画を含めた事業計画を精査し事業性を厳格に評価すると共に、キャッシュ・フロー内部収益率(IRR)のハードルを設定し、リスクに見合った収益が得られる案件を抽出できる仕組みを整えております。
既に実行済みの事業投資案件については、問題事業を早期に発見し適切な措置を講じることで損失をミニマイズするために、定期的に事業性を評価するなどプロセス管理を徹底しております。また、事業投資案件の問題点を早期・事前に把握し、撤退・整理損をミニマイズする目的で、撤退条件を設定し、リスクに見合った収益を生まない投資から適時適切に撤退するための意思決定に活用しております。
このように、新規事業投資実行時のスクリーニングの仕組み及び案件の事後管理に係る手続きを整備してはおりますが、期待通りの収益が上がらないリスクを完全に回避することは困難です。当該事業からの撤退などに伴い損失が発生する可能性や、当該事業のパートナーとの関係など個別の事由により当社が意図した通りの撤退ができない可能性があり、これらの場合において、当社の業績に影響を与える可能性があります。
[カントリーリスク]
当社グループは、カントリーリスク発現時の損失の発生を最小化するためには、特定の国・地域に対するエクスポージャーの集中を避ける必要があると考えております。また、カントリーリスクが大きい国との取組みでは、貿易保険などを活用し案件ごとにカントリーリスクヘッジ策を講じることを原則としております。
カントリーリスクの管理にあたっては、各国・地域ごとにカントリーリスクの大きさに応じて国格付けを付与すると共に、国格付けと国の規模に応じてネットエクスポージャー(エクスポージャーの総額から貿易保険などのカントリーリスクヘッジを差引いたもの)の上限枠を設定し、各々の国のネットエクスポージャーを上限枠内に抑制しております。しかしながら、これらのリスク管理やヘッジを行っていても、当社グループの取引先所在国や当社グループが事業活動を行う国の政治・経済・社会情勢の変化による損失発生の可能性を完全に排除することはできません。このような場合には、当社の業績は大きな影響を受ける可能性があります。
[マクロ経済環境の変化によるリスク]
当社グループは、グローバルにビジネスを展開する総合商社として国内外で事業を展開し、その事業活動は機械・宇宙航空、エネルギー・金属資源、化学品・合成樹脂、建設・木材、生活産業など多岐にわたっております。このため当社グループの業績は、日本及び関係各国の経済状況や世界経済全体の影響を受けており、世界的な或いは特定地域における景気減速が当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
[固定資産に係る減損リスク]
当社グループが保有する不動産、機械装置・運搬具等の固定資産及びリース資産については、減損リスクにさらされております。当社グループでは、対象資産に対し減損会計に則した処理を行い、当期末時点において必要な減損処理を行っております。しかしながら、今後これら対象資産の市場価格下落等により資産価値が著しく減少した場合、必要な減損処理を行う結果として当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
[資金調達に係るリスク]
当社グループは、事業資金を金融機関からの借入れまたは社債・コマーシャルペーパーの発行などにより調達しております。このため金融市場の混乱や、格付け会社による当社グループの信用格付けの大幅な引下げなどの事態が生じた場合には、資金調達が制約されると共に、調達コストが増加するなどにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
[環境関連費用の増大リスク]
当社グループは、地球環境への配慮を経営上の最重要課題の一つとして捉えており、環境方針を制定し、環境への配慮、環境関連諸法規などの遵守、環境保全活動の推進など、積極的に環境問題に取り組んでおります。しかしこのような取組みを行った上でも、事業活動を通じた環境汚染を引き起こす可能性を完全に排除することはできません。その場合に事業活動の停止、汚染除去・浄化費用の支出、訴訟費用の負担などが発生する可能性があります。
[コンプライアンスリスク]
当社グループは様々な事業領域で活動を行っており、事業活動に関連する法令・規制は、会社法、税法、独占禁止法、外為法を含む貿易関連諸法や化学品規制などを含む各種業界法など広範囲にわたっております。これらの法令・規制を遵守するため、当社グループではコンプライアンスプログラムを策定し、コンプライアンス委員会を設け、グループ全体のコンプライアンスの徹底及び指導を図っております。しかしながら、このような取組みによっても事業活動におけるコンプライアンスリスクを完全に排除することはできませんし、関係する法律や規制の大幅な変更、予期しない解釈の適用などが当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
[訴訟等に関するリスク]
営業活動に関連して、当社グループまたはその資産が国内または海外において訴訟、仲裁などの法的手続きの被告または対象となることがあります。しかしながら、当期末時点において当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼすおそれのある訴訟、仲裁その他の法的手続きはありません。
[情報システム・情報セキュリティに関するリスク]
当社グループでは、情報資産を適切に保護・管理することを重要な経営課題として認識し、各種規程を整備し、社内委員会などを中心とした管理体制を構築しております。また重要な情報システムやネットワーク設備については、これらの機器設備を二重化するなど障害対策を施すと共に、ファイヤーウォールによる外部からの不正アクセスの防止、ウイルス対策、暗号化技術の採用などによる情報漏洩対策の強化にも努めております。
このように総合的な情報セキュリティの強化と事故防止に努めておりますが、未知のコンピューターウイルスの発生や、コンピュータへの不正アクセスなどにより、個人情報を含めた重要な情報資産が漏洩または損失、予期できない自然災害や障害を原因として情報通信システムが不稼働の状態に陥る可能性は排除できません。その場合に被害の規模によっては当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。
[自然災害リスク]
地震、風水害などの自然災害により事務所・設備・社員などに被害が発生し、当社グループに直接的又は間接的な影響を与える可能性があります。災害対策マニュアルの作成、防災訓練、社員安否確認システムの整備などの対策を講じておりますが、被害を完全に回避できるものではなく、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。


