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双日の事業で学ぶ

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2012年2月掲載

   ⑰2次電池


■製鉄産業を支える影の主役

有史以来文明を支えてきた鉄、それは時代とともに高度化し、日本が世界に誇る先端産業の一つとなっています。鉄鉱石やスクラップはその生産過程で1600℃以上もの高温で溶かされますが、それを炉材などとしてまさに身を削って支えるのが「耐火物」です。

世界の粗鋼生産は30年近くにわたって7億トン前後で推移した後、新興国(特に中国)の生産と需要が急拡大し、2010年には14億トンを超え、耐火物市場も急拡大しています。2050年までに世界の鉄の生産は更に倍増するといわれる中で、耐火物市場もまたその拡大が予想されています。

当社は、資源ブームにより耐火物原料が世界的に逼迫している中、原料を確保して国内外の耐火物メーカーに安定供給を行い、製造された耐火物製品を製鉄所などに販売する一貫したサプライ・チェーンを構築することで耐火物業界をリードしています。成長市場であるインドでも耐火物メーカーに出資するなど、世界の耐火物業界において更なる地位向上を目指しています。

当社は、高品位ボーキサイト、酸化マグネシウム、黒鉛、クロム、炭化ケイ素などの耐火物原料を長年にわたって取り扱い、国内外のユーザーへの安定供給に力を注いでいます。耐火物用途で培った黒鉛鉱山/工場目利きのノウハウは、現在拡大するリチウムイオン電池負極材の供給にも活かされるなど、強力なシナジーを発揮しています。

日本、中国等で生産された耐火物製品は国内外の製鉄所やセメント・非鉄メーカー、アルミ精錬所などに販売、安定して安価に耐火物原料を供給することで安定した製品価格を実現しています。

 

「耐火物」って、なに?

皆さん、耐火物というと、どんなものを思い浮かべますか?あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、身近なものだと耐火煉瓦(れんが)があります。この耐火煉瓦は、熱に非常に強いので、鉄やガラスが溶けてしまうような高温でも大丈夫。バーベキューをするときや、陶芸窯、おいしい本格イタリアン・ピッツァを焼く石窯にも使われています。

耐火物とは、このように1500℃以上もの高温に耐えられる素材のことであり、高温を扱う工業(冶金、化学、機械、ガラスなど)で、原料の溶融処理や材料の加熱処理を行う設備の内側に張る材料として使われています。日本では、主に製鉄産業の各設備に使用されており、高炉(溶鉱炉)が代表的な設備です。自治体のごみ焼却炉などにも使われているのですよ。

耐火物には、煉瓦のように長方形のものばかりではなく、さまざまな形があり、モルタルのように不定形なものもあります。化学的分類でも、大きく分けて酸性、中性、塩基性があるので、形状や化学組成で区別されます。

たとえば、ひと言で耐火煉瓦と言っても、その製造方法には焼成、不焼成があり、材質も様々です。高炉のどこにどのような耐火物を使用するかは、熱膨張性や収縮性、断熱性、耐溶損性、耐熱衝撃性、経済性などの特徴から、最適な材質を使い分けているのです

製鋼における転炉・取鍋などに使用される耐火物についてみてみましょう。構成物質の結合力を維持する役割を担う物質は、温度によって変わってきます。常温から400℃程度までは樹脂、400℃〜700℃は特別なピッチ(注)、400℃〜1400℃はアルミニウムという具合です。アルミニウムは、耐火物のすきまを埋め、耐火物の耐用寿命も延ばします。

日本の製鉄産業の発展は、製鉄設備の発達がなければ成しえませんでした。これを陰で支えたのは、耐火物といえるでしょう。また、最近では最先端ナノ・テクノロジーを応用した耐火物も開発され、その技術進化は留まるところを知りません。時代とともに進化しつづける、それが耐火物なのです。

注:ピッチとは、古来より、樽や木造船の防水に使われた黒色の樹脂のこと。

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